「お金にも余裕はないし、結婚式しない方がいいのかな…」
「目立つのも恥ずかしいし、この状況下で気も引ける…」
結婚式を考えはじめたものの、挙げるべきかお悩みをお持ちではありませんか?
2020年のデータでは約19.9%が「結婚式をしない」という選択をしています。
出典:結婚総合意識調査2020(リクルートブライダル総研調べ)
「式場探しをするほど高額であることをがわかった」
「周囲で結婚式を延期した友人の反応も気になって開催自体も考え直す」
「意外と準備に時間がかかり、仕事や家事と両立が難しい」
結婚式を挙げたい気持ちもあるものの、「結婚したから、結婚式を挙げる」というシンプルな図式が叶わない実情もあります。
そんなお悩みを解決すべく、
・結婚式をしないメリットとデメリット
・お悩み別「結婚式をするorしない」の決定方法
・結婚式をしない場合のマナーや代替案
・プロデューサーから見た結婚式の役割
まで徹底的に解説いたします。
新郎新婦の視点やゲスト視点での解説はもちろん、ウェディング業界の専門家であるプロデューサーから見た「いまの結婚式」についても徹底議論した結果もご紹介します。
・結婚式を取り巻く環境がどう変わってきたのか?
・どんなお悩みが多いのか?
・このご時世だからこそ、結婚式に求められるものは?
・いま、結婚式が果たすべき意味とは?
など、入社して2-5年のプロデューサーを中心に、業界の中から見た「結婚式」について取材いたしました。
プロデューサー紹介
舩山 直人
プランナー歴:4年目
プロデュース実績:約110組
横田みのり
プランナー歴:3年目
プロデュース実績:約90組
石神 健矢
プランナー歴:3年目
プロデュース実績:約70組
小池 花三
プランナー歴:2年目
プロデュース実績:約30件
筆者自身、実は10歳の頃から「結婚って何だろう?結婚式って何のためにするの?」とずっと考えてきました。縁あって2014年にウェディング業界に入り、100組以上の新郎新婦様の声を聴く中で、自分なりの「結婚式を行う意味」を見出した結果、2019年に結婚式を挙げました。
また3000組以上の結婚式をお手伝いしてきたプロデュース会社の実績にも基づき、挙げない選択をされた方のリアルな心境や、迷った末に結婚式を執り行った方の感想もご紹介します。
いま結婚式をするべきかお悩み中のご夫婦も、すでに結婚式をしないことを決断された方も、より意義のある家族の時間を迎えるための参考にしてみてください。
目次
1 結婚式をしない4つのメリット
結婚式をしないことによるメリットは大きくわけて4つあります。
①新生活や新婚旅行にお金が使える
②親族や友だちに参加の負担をかけずに済む
③準備や段取りに時間を取られないで済む
④主役としてスポットライトをあびずに済む
さっそく詳しく見ていきましょう。
メリット1 新生活や新婚旅行にお金を使える
結婚式をしないことによる一番のメリットととして「挙式費用を削減できる」ことがあると言えるでしょう。
入籍が決まると結婚式をはじめ、引っ越しや住宅ローン、出産に育児など、将来に向けて様々なところでお金がかかってきます。
結婚式の平均費用は約362.3万円ですから、ここを削減できるだけで何かと費用がかかる新生活において手元に現金を残すことができて安心材料の一つにすることができます。
(出典:ゼクシィ 結婚トレンド調査2020調べ)
ソーシャルディスタンスが求められる中で、多くの人を集める結婚式に抵抗を感じるご夫婦も少なくありません。それであれば挙式費用は「二人きりでの新婚旅行」にお金を回し、ホテルや料理のグレードアップを行うという方もいらっしゃいます。
メリット2 親族や友だちに参加負担をかけずに済む
結婚式をしないことで、新郎新婦だけでなく「参列ゲスト」も負担を減らすことができます。
ゲストからすると結婚式に参加する際には「ご祝儀や会費」を支払うことになり、頻繁に結婚式に招待されているゲストや社会人1-2年目の方にとっては小さくない費用負担です。
また結婚式には家族だけでなく、数年ぶりに会う友人や相手の会社の上司など、様々な立場や境遇の人をゲストとして迎えることになります。
・ご高齢で足の悪い祖父母
・遠方から来てくれるゲスト
・礼儀や作法を重んじる方
・子育て中のご友人
など、それぞれの方の状況に合わせた配慮が必要になってきます。料理の内容やアレルギー対応、配席や当日のおもてなしなど、気を配ることはたくさんありますので、中にはこれらのことが大きなストレスになる新郎新婦様もいます。
メリット3 式の準備や段取りに時間を取られないで済む
結婚式には準備がつきもの。特に共働き夫婦の場合は、仕事や家事にと多忙な中で式準備を進めるストレスがなくなることも、結婚式をしないメリットに挙げられます。
ほとんどの新郎新婦様は、平日の帰宅後や休日にお二人揃って準備を進めることになります。とはいえお休みが合わないご夫婦の場合、なかなか同じペースで進めるのも難しいものです。
筆者も入社7年目に結婚式をしましたが、新規事業の立ち上げというハードな業務を、5人の部下のマネジメントをしながらの式準備は非常に大変でした。もちろん妻も頑張ってくれてましたが、夫婦共働きでしたので仕事帰りの20時から深夜まで二人で準備にかかりっきりでした。
当面は仕事に集中したい方や、プライベートの時間をゆったり過ごしたい方にとっては「結婚式を挙げない」という選択をとることで平均半年程度の時間を別のことに充てることができます。
メリット4 主役としてスポットライトをあびずに済む
結婚式をしない最後のデメリットは「主役として目立つ」というシーンを回避できるということです。
いざ結婚式をすると思うと「恥ずかしいし、目立ちたくない…」という方も多くいらっしゃいます。
・大勢のゲストから注目を浴びる
・着なれない衣装を着る
・馴れ初めや花嫁の手紙を披露する
日常の中では感じることの少ない体験に対して、心理的な抵抗はあるものです。
その他にも再婚や授かり婚、年齢を重ねてからの結婚をする方の中には、周囲の視線を気にして結婚式をしない選択をされる方もいます。
そういった「結婚式をしない選択=ナシ婚」についてまとめた記事もありますので、ぜひあわせてご覧ください。
2 結婚式をしない4つのデメリットと代替案
結婚式をしないことにはデメリットも存在します。
①結婚した実感を感じにくい
②結婚報告を個別に連絡しないといけない
③親や友だちの期待を損なうことがある
④将来、子どもができた時に形に残っていない
ここからは4個のデメリットと代替案をご紹介していきます。
デメリット1 結婚した実感を感じにくい
まず1つ目は「結婚した実感」を感じることが難しいということです。
プロポーズを経て婚姻届を提出し、同じ屋根の下で生活すれば「結婚した実感」は湧くと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
どちらかの苗字が変わることを除いて、結婚をしたことで日々の暮らしや仕事、二人の関係性が急激に変化することは非常に稀です。
筆者も婚姻届を市役所に提出したシーンでは気持ちは上がりはしたものの、翌日からは入籍前の同棲生活と比較して、さほど実感できる変化はさほどなかったことを覚えています。
【代替案】
挙げない選択をするにしても、ぜひ二人で「どんな家族になりたいか?」を話す場をつくることをおすすめします。
一方で結婚式を挙げることを決め、準備が始まってからは「結婚した実感」を感じるシーンが増えてきました。挙式当日はもちろんですが、準備期間中にも大きな意味がありました。
・準備の中でお互いの価値観に触れ、より深く理解しあえる
・これから作る家族の中で「大切にしたいこと」を言語化できる
・大切なゲストを前に「ありたい家族の姿」を自分の言葉で宣言できる
「結婚式をしない」となると、上記のような体験を慌ただしい日常の夫婦生活の中で実感することははなかなか難しいものです。忙しい中だからこそ、すれ違いやけんかが起きる前に話し合う時間をつくってみてください。
デメリット2 結婚報告を個別に連絡しないといけない
結婚式をしないデメリットの2つ目は「個別に報告の場」をつくる必要が出てくるということです。
恋人から夫婦として生きていくことを知らせる機会でもある結婚式。開催しなかった場合、結婚した事実が周囲の人たちに伝わりにくいのが難点です。
久々にあった親戚や同僚から「いつ結婚するの?」と聞かれるケースもあり、その都度事情を説明するわずらわしさもあると聞きます。
【代替案】
LINEやメールでの個別メッセージや、SNS上での投稿など、様々な方法でお知らせしましょう。
お世話になった人は少なくないでしょうし、せっかく報告するのであれば「定型文」ではなく「個別にメッセージ」を用意した方がベターです。
また上司や親族などへは「口頭で直接」伝えるケースも必要でしょうし、両家に対しては「食事会」などを設ける場合も出てきます。
「誰に、どういう形で、いつ伝えるか?」を個別に管理し把握するのは手間のかかることです。「あれ、この前聞いたよ」と連絡が重複したり、逆に連絡が漏れることで「独身のまま」だと勘違いされたり、他人の口から先に耳に入ることもあります。
「結婚式をしない」選択をした場合は、きちんと連絡をすることは忘れないようにしましょう。
デメリット3 両親や友人の期待を損なうことがある
3つ目のデメリットは「ゲスト側の期待」を損なう可能性があることです。
お二人のことを大切に想ってくれているゲストの方だからこそ、
・結婚式の場でお二人の晴れ姿を見たい
・直接お祝いの言葉を伝えたい
・自分が費用を負担してでも挙げてほしい
そういった期待やお気持ちを抱いてくれるもの。特に一人親の場合や、新郎新婦が一人っ子の場合によく見られます。
【代替案】
「結婚式をしない」選択をされるとしても、その結論に至った理由をゲストに説明しましょう。具体的には結婚の報告の際に、その旨も一筆そえる形となります。
ゲスト側に期待があるとはいえ、結婚式は「ゲストのためだけ」に挙げるものでもありません。あくまでもお二人自身の意思で家族をはじめていく場です。
挙げない選択にしたとしても、お二人が話し合われた内容を丁寧にお伝えすれば、きっとご理解いただけるはずでしょう。
デメリット4 将来、子どもができた時に形に残っていない
最後のデメリットは「結婚式をしなかった」事実がずっと残るために、お子様に伝えられなかったり、後悔が残るケースです。
一度は結婚式をしない選択をしたものの、数年後に友人や兄弟の結婚式に参加したり、SNSやテレビで結婚式のシーン見かけたりすると、「挙げておけばよかったかもしれない」という想いが胸に広がることは少なくないようです。
特にお子様が大きくなって「パパとママはどんな結婚式をしたの?」と質問された場合の返答は難しいものがあります。金や時間の問題は「今だけ」かもしれませんが、「結婚をしなかった」ことはこの先つきまとうかもしれません。
【代替案】
いまの時点の気持ちや思い出を文字にして残しておくことをおすすめします。ノートや手紙、日記でも構いません。
・どんな家族になりたいか?
・家族として何を大切にしていきたいか?
・5年後の自分たちへ
など、5年後10年後に見返した時に「あぁ、あの時はこんな想いで家族をはじめたんだった」と振り返れるものをつくっておくのはいかがでしょうか?
もちろんウェディングフォトやエンゲージメントフォトなど、文字だけでなく「お二人のいま」を写真に残しておくのもおすすめです。
3 結婚式をしない二人の4つのお悩み別のお披露目方法
結婚式をしないメリットとデメリットを紹介してきましたが、全く何もしないというのはおすすめできません。お二人にとっても、ゲストにとっても何かしらのお披露目や報告の場は必要だからです。
そこでここからは「結婚式をするかどうか」というお悩みを4つのタイプにわけて、それぞれのお披露目方法をご紹介します。
タイプ1. お金がないなら「1.5次会 or 食事会」
タイプ2. 時間がないなら「フォトウェディング」
タイプ3. 集まれないなら「オンラインお披露目会」
タイプ4. やりたくないなら「ファミリーノート」
さっそく見ていきましょう。
タイプ1 お金がないなら「1.5次会 or お食事会」
結婚式をしようにも予算がネックな方には会費制パーティである「1.5次会」がおすすめです。
ご祝儀制と比較して会費制で友人メインで行う「1.5次会」というスタイル。会費金額は1.0~2.0万円とゲストの負担も小さく、新郎新婦からしても事前に集まる金額がわかるため、予算オーバーの心配が少ないのがメリットです。
またホテルや専門式場のような豪華な施設ではなく、お洒落なレストランやスタイリッシュなカフェなどで開催されることも多く、引出物や挙式がないケースも多いため、「the 結婚式」のような堅苦しい感じもなく肩ひじはらないスタイルです。
親族のみの場合は「お食事会」形式にして、ちょっといいレストランで家族水入らずで思い出話を楽しむのもおすすめですよ。
タイプ2 時間がないなら「フォトウェディング」
お仕事や家事、子育てに忙しいあなたには「フォトウェディング」をおすすめします。
ゲストを呼ぶスタイルではなく、お二人が好きな場所で好きな時間に楽しめるスタイルです。無理にドレスやタキシードを着る必要もなく、私服やペアルックなど自然体でいられるファッションを選ぶ方も多いので、「結婚式っぽくて恥ずかしいのはちょっと…」という方もご安心ください。
撮影した写真はLINEやSNSでのご報告、年賀状などでゲストにお届けすることで想い出に残るお披露目にすることができます。
タイプ3 集まれないなら「オンラインお披露目会」
遠方や海外のゲストが多いあなたには「オンラインお披露目会」がおすすめです。
無料のビデオ通話ソフトを使って自宅や外出先など好きな場所から参加できるのが最大のメリット。スマホ一台あれば誰でも参加できます。
ゲストにとっては自宅から普段着で参加できたり、自分の好きな食べ物を用意できることもあって、自由度も高く気軽に楽しめるのもポイントですね。
タイプ4 やりたくないなら「ファミリーノート」
やっぱり人前に出るのが恥ずかしいあなたには「ファミリーノート」がおすすめです。
好きなノートや日記、手帳などに二人でいまの気持ちや理想の家族像を話し合いながら書き込んでいきます。
・どんな家族になりたいか?
・家族として何を大切にしていきたいか?
・5年後の自分たちへ
など、将来見返した時に振り返れるものを残しておくアイデアです。
誰かに見せるものではなく、あくまで自分たちやいつか生まれてくるお子様のためのプライベートな自分たちへのお披露目方法です。
ただしこの場合も、ご親族や友人などお世話になった方へのご報告だけは忘れないようにしましょう。
4 プロデューサー対談。いま、結婚式を挙げる意味とは?
ここまで、結婚式のメリットやデメリット、挙げない場合のアイデアをご紹介してきました。
新郎新婦の視点やご両親や友人の視点での解説してきましたが、ここからはウェディング業界の専門家であるプロデューサーから見た「いまの結婚式」についてお話していきたいと思います。
・結婚式を取り巻く環境がどう変わってきたのか?
・どんなお悩みが多いのか?
・このご時世だからこそ、結婚式に求められるものは?
・いま、結婚式が果たすべき意味とは?
など、入社して2-5年のプロデューサーを中心に、業界の中から見た「結婚式」について取材いたしました。
家族の形が変われば、結婚式だって変わる
ここ2年位で、相談されるお悩みのタイプが変わってきてるよね。
家族だけ、写真だけで済ませたいっていう声をよく聴くね。
私はお二人とも再婚とか連れ子がいるケースの結婚式の相談が増えてきたイメージかな。これって、家族のあり方や交友関係の距離感が変わってきたんだと思う。
不要な外出の自粛ムードもあって、オンライン上でのコミュニケーションって一気に増えたよね。出会いの場もマッチングアプリが主流だし、告白とかプロポーズもLINEだけで済ませちゃうっていうのも前より聞くことが多くなった。結婚式もオンラインでいいじゃん、っていう考え方も理解はできるな。
僕もその部分は一理あると思う。でも逆にオンライン飲み会が続くと「あぁ、やっぱりあって話したいなぁ…」って気持ちも強くなっていたのは事実なんだよね。なんかこう、画面越しだけだと伝わらないものがあるっていうか…。
それ、すごくわかる。確かにビデオ通話の品質って3年前よりぐっと上がったけど、やっぱりリアルな対面とはどこか違う。これが結婚式となると、その微妙な違いって大きくなっていくと思う。
僕も正直なところ、最初は「オンラインウェディングって、気持ちとか伝わるのかな…?」っていう不安はあって、かなり消極的だった。でも今から思うと、だからこそプロの僕たちがそれを検証して世の中に発信していくべきなんだ、って反省した。
私もいまオンラインウェディングについての企画を動かしていて、世の中の変化を見守るんじゃなくて、私たちがどう変化していくかが大切だって気づかされた。画面越しの参加だとしても同じお食事をお弁当にしてお届けして、一緒に「いただきます」をするとか、会場との一体感をつくるやり方はたくさんある。
うんうん。オンラインもそうだし、友人だけのカジュアルな会費制結婚式とか親族と友人とで二部制にするパーティとか、家族の形が変わっていけば結婚式の形だって変わっていくよね。
挙げる意味もスタイルも、人それぞれ
結婚式の形というか、前と比べて「人前に出るのが恥ずかしい」っていう声、増えてない?「お手紙もお色直しもいいです。ほんとに一緒にご飯を食べるだけでいい」っていう方もいるよね。
確かに増えてるかも。逆にこだわりがある人はすごく強い想いを持ってる感じがするな。
これも「結婚式をする意味」っていうのが多様化しているというか、価値観が変わってきてるのもあると思う。「入籍したから、親がやれって言ったから」っていう人もいれば「自分の憧れを叶えたい」って人もいる。
SNSの登場がいい意味でも悪い意味でも結婚式に対するイメージを変えたよね。ほんとにたくさん投稿されてるし、他の人の投稿を見ると「私もこうなりたい」っていう憧れもあるし、「ここまでは嫌だな…、こんな目立つのはな…」っていう気持ちになっていくのも理解できる。
僕たちもお二人からの要望はしっかり叶えていきたいけど、お二人自身も迷いながら相談していることも多いよね。だからこそ、そのご夫婦にとって「結婚式を挙げる意味」っていうのをゼロから考えないといけないし、その意味に合わせたスタイルを提案していかないとね。
結婚式に「あたり前」なんて、なくていい
私、全員で6名とかの家族だけの結婚式って「料亭とかの個室でご飯を食べるだけ」っていうイメージがずっとあったんだけど、「家族のコンセプト」とか「家族になる意味」から考えていくと場所だけが大事なんじゃないって気づいたんだよね。
あぁ、僕もそのお客様について先輩が言ってた言葉にびっくりした。
<先輩の言葉>
別に料亭とかお店じゃなくたっていいじゃん。公園でファミリーピクニックしたり、川原でBBQしたり、実家でみんなで料理して手巻き寿司とかシェアしたり。大切なのはその二人が描きたい家族像を共有して、想いを伝えあうことでしょ。場所も大事だけど、どんな場をつくるかの方が大切なんじゃない?
そう思うと結婚式ってもっと自由でいいんじゃないか、って最近すごく感じてる。披露宴の後に挙式があってもいいし、公園とか自宅とかでもいい。しっかり手紙を書いて、じっくり読みあうだけでも感動できる。新郎新婦がゲストの待つ場所に入場するんじゃなくて、お二人がゲストを迎え入れたっていい。
うんうん、私も「装飾=お花で飾り付け」ってイメージが強かったけど、想い出の写真を大きくプリントアウトして飾ったり、好きな絵画を美術館みたいに飾るのもいいと思う。
そうだよね。「一般的には…」とか「これが当たり前」とかが頭をよぎった時は気をつけよう、ってかなり意識するようになった。「結婚式」って考えるんじゃなく「お二人のライフイベント」って考えると、発想がすごく広がった。結婚式に無限の可能性を感じてる。
やっぱり「家族をはじめる場」が、大切だと思うんだ
たくさん話してきたけど、やっぱり「その二人にとって、家族になる意味」が伝わるかが大切なんだと思うんだよね。
うんうん。「一人とひとり」から「恋人」になって、「恋人」から「家族」になっていく。婚姻届を出せば法律的には「家族」なんだけれど、気持ちの面ではそんなにすぐに変化を感じるのって難しいよね。
結婚して子どももいる先輩から聞いたけど、夫婦ってやっぱり「他人」なんだよね。冷たく聞こえるかもしれないけど、全く同じ価値観なんかじゃないし、自分の状況とか心のうちまで100%の理解度でいてくれるわけじゃない。仕事でイライラしてたらいつも出来てる気遣いができなくなるし、子どもが泣いてたら冷静に対応するのも難しい。
結婚ってすごく重要なことだと思うし意義のあることだと信じてるけど、「結婚=幸せ」っていうのはちょっと違うと思ってる。生まれも育ちも違う別々の人間が二人集まって、「一つの家族という単位」として「一つの答え」をつくっていくのは簡単じゃない。自分一人なら時間もお金も好きに使えるけど、結婚して子どももいるとなるとそうはいかないよね。
家族だけ、友人だけ、フォトウェディング、会費制とかいろんなスタイルはあるけれど、一番大切なのは「何のために、誰のために挙げるか?」だと思う。ただ希望の条件に合う式場を探すのはそれほど難しくないけど、結婚式の一日がこれからの人生にどんなエネルギーを与えられる場にできるか、すごく問われてると感じるかな。
自分のことって、自分が一番わかってるつもりだけど一番わかってない。「あなたは、どんなことを大切に生きたいですか?」って聞かれて、即答できる人ってすごく少ない。結婚って自分の人生もだけど、相手の人生も、家族としての人生も背負っていくこと。だからこそ、その難しい質問をお二人以上に考えられる私たちでありたいし、それがウェディングプロデューサーとして、結婚式をつくっていく意味なんだと思うな。
まとめ 家族の数だけ、お披露目の形はあっていい
結婚式といっても、様々な形があります。従来のスタイルでは挙げたいと思えない方も、今回ご紹介したようなスタイルやお披露目方法であれば、やってもいいと思えませんか?
結婚式をしない4つのメリット
- 新生活や新婚旅行にお金が使える
- 親族や友だちに参加の負担をかけずに済む
- 準備や段取りに時間を取られないで済む
- 主役としてスポットライトをあびずに済む
結婚式をしない4つのデメリットと代替案
- 結婚した実感を感じにくい
→ 二人で「どんな家族になりたいか?」を話す場をつくる - 結婚報告を個別に連絡しないといけない
→ 関係性ごとに手段をわけて連絡する - 両親や友人の期待を損なうことがある
→ 結婚式をしない理由を丁寧に説明する - 将来、子どもができた時に形に残っていない
→ ファミリーノートやフォトを残す
結婚式をしないお悩み別の4つのお披露目方法
- お金がないなら「1.5次会 or 食事会」
- 時間がないなら「フォトウェディング」
- 集まれないなら「オンラインお披露目会」
- やりたくないなら「ファミリーノート」
結婚式は「二人のためだけ」でも「ゲストのためだけ」でも挙げるものでないと思います。お二人自身の意思で家族をはじめていく場であり、共に生きていく人たちと分かち合う場であると私は考えます。
いずれの選択にしたとしても、お二人が納得いくまで話した内容をきちんとお伝えすれば、きっと素敵な生活が開けることでしょう。
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