「神前式って具体的にどんなことをするの?」
「神前式の魅力は?」
「神前式で気をつけておくことって何があるの?」
と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
神前式は、 神殿にて行われる日本古来の伝統的な挙式スタイル。
日本らしい厳かな雰囲気が魅力です。
ただ、神前式では親族だけで執り行われることも多く、「神前式に参列したことがなく、当日のイメージが湧きにくい」という相談もよく受けます。
そこでこの記事では、婚礼業界で10年以上働き続け 過去300組以上の結婚式プロデュースを担当してきた元プランナーが、「神前式の基礎知識」から「 神前式場を決める前に確認しておくべきチェックリスト」の他にも「神前式のメリット・デメリット」、「 神前式の流れと作法」まで伝授いたします。
ぜひ、この記事を読んで神前式について詳しく理解し、不安や悩みを解消し、お二人らしい素敵な結婚式を挙げていただけるようお祈りしております。
1章 神前式とは
「神前式」は、神道の神々に誓いを立てる日本古来の伝統的な挙式スタイルです。
神前式では、結婚とは新郎新婦だけでなく、家族と家族の新たな結びつきだと考えられています。
「三々九度の盃(さんさんくどのはい)」(盃を重ねることで「家と家」の固い絆を結ぶ)を交わし、「玉串拝礼 (たまぐしはいれい)」 (=玉串にふたりの心を乗せて神に捧げる)」などの儀式を通して、神にふたりの結婚を報告します。
神前式が執り行われる場所は3箇所です。
①神社
②ホテルや専門式場にある館内神殿
③会場内の庭園
神前式を神社で挙げるのか、 ホテルや専門式場の神殿で挙げるのかを決める際は、お二人が何を優先するのかを決めておく必要があります。
次の章では、神前式を挙げる場所のメリット・デメリットを詳しくご紹介していきます。
では、さっそく見ていきましょう。
2章 元和婚プロデューサーが赤裸々に語る「神前式と神前式場所のメリット・デメリット」
まずは、「神前式のメリット・デメリット」を理解しておくことが大切です。
神前式の情報が少ない分、新郎新婦、そして参加されるゲストたちにとって意外と見落としがちなメリット・デメリットがたくさんあります。
それでは、さっそく見てみましょう。
メリット
①日本らしい厳かな挙式ができる
洋式化してしまっている普段の生活では体験することができない、日本に古くから伝わる美しく厳かな挙式が叶います。
②温かくアットホームな挙式が実現できる
神前式は、基本的に家族・親族を含めた少人数で行います。
そのため、こじんまりとしたアットホームな挙式を行えることもまた魅力のひとつです。
③新郎にもスポットが当たる演出がある
神前式では「誓詞奏上」という新郎新婦が神前で夫婦になる誓いの言葉を奏上する儀式があり、これを読み上げる役割を一般的には新郎が担います。
教会式や人前式では、新郎新婦それぞれが誓いの言葉を述べるので、新郎が活躍をする挙式スタイルであるといえます。
デメリット
①列席できるのは親族のみの場合もある
本来、神前式は「親族杯の儀」にあるように、両家の縁を結ぶ意味合いもあるため、基本的には、挙式に列席できるのは両家の親族のみとなります。
また、一般的には神殿のスペースにも限りがあり、収容人数に制限がある要因です。
②衣装・美容で費用が高くなる可能性もある
グレードが下の場合は着物が安くなることもありますが、上のグレードになるにつれて着物の価格が高くなることも。
また、かつらや綿帽子・角隠しなど特有のヘアセットや選ぶ簪(かんざし)などによって追加料金が発生するため、トータルでみると洋装より高くなる可能性があります。
次に「神前式場所のメリット・デメリット」を見ながら「神社」と「ホテル・専門式場」を比較してみましょう。
3章 式場決定前に必読!「神前式場所のメリット・デメリット」
1章でご紹介した通り、神前式場所は神社、ホテル・専門式場、会場内の庭園の3箇所。
私のおすすめは「神社」
厳かな雰囲気で何よりもゲストにも好評で、素敵な写真を残すことができます。
それでは、神社、ホテル・専門式場それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
会場内の庭園は神社、ホテル・専門式場双方の要素を取り入れており会場によって様々ですのでここでは割愛します。
3-1 神社のメリット・デメリット
メリット
①日本ならではの美しい挙式
参列者が一列になって神社の本殿まで歩く「参進の儀」や神社の本殿で厳粛な雰囲気のなか執り行われ、普段の生活ではなかなか感じることのない、日本人ならではの奥ゆかしさを実感できるのが、神社での結婚式の魅力のひとつです。
②節目に何度も訪れることができる
神社は、おそらく今後もなくなることはありません。
そして、一般的にお参りできる場所が多いため、毎年「初詣」や子供が産まれた際には「お宮参り」「七五三」など、家族の節目節目に訪れる機会があるのも特徴です。
③風情のある写真が撮れる
緑豊かな神社も多く、境内を歩く参進の儀はもちろん、、風格ある神社を背景に等新郎新婦の和装姿がよく映える撮影スポットが多いのも魅力です。
デメリット
①天候に左右されてしまう
「参進の儀」は、雨の日は行いたくても行えない場合や、雨の中を歩くことになるので移動がしづらくなります。
また、神前式での写真撮影は外のほうが、景色もいいため外で行われることがほとんど。雨の場合は撮影が難しくなってしまうこともあります。
②バリアフリーの設備が整っていない
神社は歴史ある建物であるがゆえ、「バリアフリー」設備は整っていないこともあります。神社によっては長い階段や大きな段差があったり、車椅子の対応ができない神社もあります。
③神社に披露宴・会食会場が併設されていない場合の段取りや手配が必要
神社に披露宴会場がない場合は、披露宴会場を別に探す必要や移動手段の手配も必要となります。そのため、神社と披露宴会場のそれぞれやり取りが必要となります。
3-2 ホテル・専門式場のメリット・デメリット
メリット
①設備が充実している
バリアフリー設備が整っていて年配ゲストも安心、クロークや更衣室があり宿泊もできるため遠方ゲストの負担が少ない、授乳室があって子連れでも出席しやすいです。
②アクセス良好な立地が多い
ターミナル駅の近くなど利便性の良い立地にあることが多いため、アクセスしやすい点がメリットです。
③挙式から披露宴までの移動負担が少ない
館内に神殿を併設しているため、ゲストに移動の負担をかけることなく神前式と披露宴を行うことができます。また晴雨に左右されることもありません。
デメリット
①本殿での挙式ではない
結婚式のために作られた館内神殿は、本物の神社の「分社」となりますので、本殿ではありません。神社風に仕立てられた結婚式場は、本物の神社と比べると荘厳さで劣ってしまうかもしれません。
②演出が限られている場合がある
参進の儀や雅楽の生演奏や巫女舞がなく、神社と同様に厳粛な神前式が叶わないケースも多いです。
③写真映えがしづらい
館内のため、撮影スポットが限られてしまいます。
素敵な神前式を後悔なく挙げるためには、メリットだけではなくデメリットや注意点も把握しておかなければなりません。
事前に知っておけば打てる対策もありますし、式場選びにも役立ちます。
実際に式場を決める時にはどこを注意した方が良いのか、チェックポイントを5章でご紹介します。
4章 神前式費用の相場は35.7万円
まず結婚式の費用のことは一番知りたいところですね。
神前式で挙式を挙げる際にかかる首都圏の平均相場は35.7万円です。(ゼクシィトレンド調査2021)
※神社とホテル・専門式場での費用はほぼ変わりません。
結婚式費用を抑えられるのなら、それに越したことはないと思います。神前式の費用が上がりやすい5つの項目は必ずおさえておきましょう。
初穂料(挙式料)に含まれていないケースもあります。
②巫女の舞
初穂料(挙式料)に含まれていないケースもあります。費用相場はそれぞれ5万円前後〜と言われていますが、式場によって大きく変わります。
③衣装
プラン外の衣装を選んだ場合です。
また、小物を白から色・柄付きにした場合も注意です。
④ヘアメイクリハーサル
プランに入っていないことも多いです。
⑤ヘアアクセサリー
洋髪でヘアアクセサリーをつけられる場合、別途お花等の費用がかかります。また、かつらの平均相場は5〜10万円。
髪につけるかんざしのレンタル相場は1万円です。
ヘア小物を付けられる方がほぼ大半ですので、追加料金がかかると思っておきましょう。
5章 神前式場を決める前に確認しておくべき46個の項目
ここではお二人が式場決定後に後悔しないために、私が実際に10年以上和婚プロデュースで培ってきた経験から、お二人が式場を決定する前に確認しておくべき45個の項目を「親御様」「お二人」「式場」毎にご紹介いたします。
以下をまとめたチェックシートを是非ご利用ください。
5-1 式場決定までに両家の親と相談しておきたい7コの項目
結婚式はお二人だけのものではなく、家と家との絆を結ぶ大切な儀式です。
両家それぞれの親御さんに意見を聞かなければ、進められない準備もあります。
親御さんの意向を確かめずに物事を決めてしまった結果、あとでいろいろと変更を余儀なくされて大変だった…という話もよく耳にします。
スムーズに進めるためにもここでは、両家の親と相談しておきたい7コのポイントを詳しく見ていきましょう。
②結婚式の日程
③招待する親族
④ゲストの状況把握
⑤アクセス
⑥友人参列
⑦親族紹介
①両家で信仰している宗教
両家の親御様が他の宗教を信仰している場合などは、神前式に抵抗がある場合もあります。そのため、信仰する宗教・宗派などについてはあらかじめ両家に確認をしておくとよいでしょう。
②結婚式の日程
「季節」と「お日柄」については、親御さんの意向を確かめることが先です。
「季節」は、ゲストの皆さんに喜ばれる春・秋の結婚式シーズンにしてほしいと思っていらっしゃるのか?仕事が忙しい時期等の考慮をする必要があるのか? 必ず両家の意向を確かめましょう。
「お日柄」と言われる大安・友引・仏滅などの六輝・六曜に関しても、両家の意見をヒアリングしておきましょう。最近は、お日柄を気にしないというカップルも多く、「仏滅割引」で安くなるから、と勝手に決めてしまいトラブルになった、というケースも多々あります。特に祖父母の世代は、お日柄を気にされる方が多いため必ず両家の意向を確かめましょう。
③招待する親族
招待する親族を勝手にリストアップするのではなく、まずは、それぞれの親御さんに確認をしましょう。
親族との関係性については、親御さんじゃなければわからないことがあります。後で親族の人数が大幅に増減し、結婚式の費用が把握しづらくなるどころか、せっかく気に入って決めた式場が人数の都合で利用できなくなることも考えられます。
④高齢者・妊婦・キッズの招待
招待する親族の状況を把握しておくことでゲストに配慮した式場探しができます。
・高齢者…足が不自由であったり、車椅子のゲストの方がいれば移動の配慮が必要。
・妊婦…急な体調の変化や階段を使わずに移動できるかの配慮が必要。
・キッズ…授乳やおむつ替えのスペースや挙式中に子供がくずったときの配慮が必要。
⑤アクセス
遠方から親族を招待する場合は、アクセスの良さを気にされる親御さんが多い為、主要駅や空港からのアクセスについても親御さんと相談し、時間に余裕をもって来ていただける場所を選ぶことも大切です。
⑥友人参列
友人を呼んでも問題ないかどうかは神社だけでなく、参列する親族にも事前に確認をし承認を得てくだ
⑦親族紹介
親族紹介とは、結婚式当日に新郎家と新婦家の両家が、一堂に会して親族を紹介しあいます。「親族紹介があるのは当然」というお考えの方もいらっしゃるので、確認が必要です。
5-2 式場決定までに新郎新婦で決めておくべき17コの項目
式場を決定する前に新郎新婦のお二人で話し合っておくことで、後々後悔しない式場選びができる17コのポイントをご紹介します。
①挙式日時
②挙式にかかる費用
③友人の参列は必須か?
④参拝客がいてもいいか?
⑤一日あたりの挙式組数は少ない方がいいか?
⑥参進は必須か?
⑦巫女の舞は必須か?
⑧雅楽の生演奏は必須か?
⑨衣裳・ヘアはこだわりたいか?
⑩祀られている神様のこだわりはあるか?
⑪知名度は必須か?
⑫挙式中の撮影は必須か?
⑬参列者の撮影は必須か?
⑭持ち込み可能であることが必須か?
⑮鳥居や楼門は朱色であることが必須か?
⑯敷地内・館内での披露宴は必須か?
⑰雰囲気・ロケーションにこだわりたいか?
①挙式日時
何月がいいか、何月何日がいいか、大安などお日柄の希望が具体的に決まっているほど良いです。
希望の日取りが予約でいっぱいだったというケースもあるため、式場側のスケジュールを確認するためにも日程をピックアップしておくといいでしょう。
②挙式にかかる費用
予算は式場を選ぶうえでも重要なポイントです。
式場によってプランなどが異なり、基本プランがリーズナブルな式場もあれば、格式によっては高い式場もあります。予算に関係なく式場を選んでしまうと後々後悔することになるため、事前におおよその予算を決めておくことが大切です。
③友人の参列は必須か?
神前式は家と家の結び付きを重んじるので、本来は参列できるのは両家の親族のみ。
ただし最近では、神社によっては親族以外のゲストも参列できたり、境内から挙式の様子を見ることができる場合もあります。
④参拝客がいてもいいか?
神社式の場合は、挙式中でも参拝客を受け入れているのが一般的ですので、参拝客から祝福してもらえます。恥ずかしいというお二人は、参拝者の少ない神社やホテル・専門式場を検討する方が良いです。
⑤一日あたりの挙式組数は少ない方がいいか?
神社式の場合は、1日の挙式組数が神社によって違います。
一日あたりの挙式組数が多い場合は、挙式後に写真撮影をしている新郎新婦や館内で出くわすこともあります。一方で一日あたりの組数が少なければ他の新郎新婦とも出くわすことなくゆったりとした挙式が叶います。
⑥参進は必須か?
一般的に参進の儀が行われるのは神社ですが、ホテル・専門式場でも可能なケースもあります。
⑦巫女の舞は必須か?
一般的に巫女の舞が行われるのは神社ですが、ホテル・専門式場でも可能なケースもあります。
⑧雅楽の生演奏は必須か?
雅楽の演奏が録音したものである場合もあります。
録音しかできないケース、生演奏が可能なケースもあります。
⑨衣裳・ヘアのこだわりたいか?
昨今は衣装やヘアの自由度は高いですが、神社によっては挙式中の洋髪NG挙式で着られるのは白無垢のみといった神社もまれにあります。
また、かつらや簪の場合は予算が上るため事前に検討しておくことで後々予定外の予算が上ることを前提に検討できます。
⑩祀られている神様のこだわりはあるか?
祀られている神様はそれぞれですので、こだわりがある場合は事前に調べて下見へいくことができるので式場の検討時間短縮に繋がります。
⑪知名度は必須か?
世界遺産や有名な神社が多数あるため、こだわりを事前に話し合っておきましょう。
⑫挙式中の撮影は必須か?
神殿内での写真撮影が禁止されている神社が多く、それは神前式のあいだも変わりません。
式場によって挙式中の撮影が不可だったり、専属のカメラマンであればOKだったり、儀式によって撮影の可否が変わったりとルールが異なります。
⑬持ち込み可能であることが必須か?
新郎新婦の衣装持ち込みや挙式中の撮影はカメラ持ち込みNGといった場合もありますので注意が必要です。
⑭鳥居や楼門は朱色であることが必須か?
朱色の鳥居や楼門は神社ですが、神社でも建物は様々です。
どんな写真を残したいかを考えて、事前に決めておくことで式場検討がしやすくなります。
⑮敷地内・館内での披露宴は必須か?
外式(神社)の場合、披露宴会場の移動の負担や時間を減らせるメリットがあります。
ただし敷地内に会場が無い場合は披露宴会場までの段取りが必要となります。
⑯雰囲気・ロケーションにこだわりたいか?
館内神殿の場合、神社に比べて雰囲気・ロケーションは見劣りしてしまいます。
ただ、ホテル・専門式場でも庭園があったりするケースもあります。
⑰親族紹介は必須か?
式場によって挙式後に神殿で行うことができる場合、できない場合があります。
困難な場合は、披露宴会場等の場所を変更して行うこともできます。
5-3 式場決定までに式場に確認しておきたい22コの項目
②収容人数は何名迄?
③友人の参列は可能か?
④一日あたりの挙式組数は何組?
⑤巫女の舞は追加料金かかるか?
⑥雅楽の生演奏は追加料金がかかるか?
⑦衣裳・ヘアは自由か?
⑧挙式中の撮影制限はあるか?
⑨持ち込みは可能か?
⑩持ち込みの場合、持込料はかかるのか?
⑪敷地内で披露宴はできるか?
⑫敷地内で披露宴が可能な場合、収容人数は何名か?
⑬駐車場は完備されているか?
⑭雨天の場合の参進・写真撮影の対応は?
⑮親族紹介は可能か?
⑯バリアフリーか?
⑰神殿に車椅子は可能か?
⑱挙式中に出入りは可能か?
⑲冷暖房などの空調設備はどうか?
⑳新郎新婦の着付け室はあるか?
㉑新郎新婦の控え室やゲストの待合室の場所確保は可能か?
㉒更衣室はあるか?
①費用はいくらか?
より明確な見積もりを出してもらうために、着たい衣装や希望のヘアスタイル、雅楽の生演奏、巫女の舞等の要望を詳細に伝えることが大切です。
②収容人数は何名迄?
神前式は家と家の結び付きを重んじるので、本来、参列できるのは両家の親族のみが一般的なため収容人数の確認をすることで招待客と合わせて検討できます。
③友人の参列は可能か?
神前式は家と家の結び付きを重んじるので、本来、参列できるのは両家の親族のみ。
ただ、最近では、神社によっては親族以外のゲストも参列できたり、境内から挙式の様子を見ることができる場合もあるため確認しておきましょう。
④一日あたりの挙式組数は何組?
神社式の場合は、一日あたりのの挙式組数が神社によって違います。
一日あたりの挙式組数が多い場合は30分ごとに挙式が行われるため、他の新郎新婦と出くわすこともあります。一方で一日あたりの組数が少なければ他の新郎新婦とも出くわすことなくゆったりとした挙式が叶います。
⑤巫女の舞は追加料金かかるか?
一般的に巫女の舞が行われるのは神社です。
追加料金がかかる場合があるため確認をしておきましょう。
⑥雅楽の生演奏は追加料金がかかるか?
雅楽の演奏は録音したものである場合もありますので、生演奏の場合は追加料金がかかる場合があるため確認をしておきましょう。
⑦衣裳・ヘアは自由か?
昨今は衣装やヘアの自由度は高いですが、神社によっては挙式中の洋髪NG挙式で着られるのは白無垢のみといった神社もまれにありますので確認しておきましょう。
⑧挙式中の撮影制限はあるか?
神殿内での写真撮影が禁止されている神社が多く、それは神前式のあいだも変わりません。
式場にによって挙式中の撮影が不可だったり、専属のカメラマンであればOKだったり、儀式によって撮影の可否が変わったりとルールが異なるため、お二人の希望が叶うか確認しておきましょう。
⑨持ち込みは可能か?
式場によって衣装持やカメラの持ち込みNGの場合もあります。
事前に確認しておく方が後々持ち込みを検討する際に安心です。
⑩持ち込みの場合、持込料はかかるのか?
式場によって持ち込み料がかかるケース、かからないケースがありますので事前に確認しておきましょう。
⑪神社の敷地内で披露宴はできるか?
神社によって披露宴会場を常設している場合もあります。
⑫神社の敷地内で披露宴が可能な場合、収容人数は何名か?
神社によって収容人数は様々です。
挙式後の披露宴から参加頂きたいゲストがいる場合は、披露宴会場の収容人数の確認は大切です。
⑬駐車場は完備されているか?
お車でお越しのゲストから質問が来る場合がありますので、事前に確認しておくとスムーズです。
⑭雨天の場合の参進・写真撮影の対応は?
雨天の場合のケースを確認しておくことで当日のイメージができるので確認しておきましょう。
⑮親族紹介は可能か?
挙式場によって挙式後に神殿で行うことができる場合、できない場合がありますので事前に親御様へも共有しておくために確認をしておきましょう。
⑯バリアフリーか?
高齢者や足の不自由な方が参列される場合は、必ず確認をしておきましょう。
⑰神殿に車椅子は可能か?
車椅子のままご昇殿できない場合がありますので、確認をし事前に参列者へ伝えておくと丁寧です。
⑱挙式中に出入りは可能か?
小さなお子様がくずった場合、退席されるケースを踏まえ確認をし事前に参列者へ伝えておくと丁寧です。
⑲冷暖房などの空調設備はどうか?
室内や半野外と様々です。
挙式時期にもよりますが、冷暖房などの空調設備を確認しておきましょう。
⑳新郎新婦の着付け室はあるか?
神社提携外の衣装や美容師を手配する場合、式場によっては着付け室を利用できなかったり料金がかかる場合があるので確認しておきましょう。
㉑新郎新婦の控え室やゲストの待合室の場所確保は可能か?
確保されている式場がほとんどです。
ただ、控室・待合室の利用可能な時間は式場により様々ですので、列席者が早く到着したが控室に入れないケースがありますので、利用可能時間は確認しておきましょう。
㉒更衣室はあるか?
当日、式場で着替えをしたい列席者のために事前に確認し参列者へ伝えておくと丁寧です。
6章 元衣装コーディネーターが教える神前式衣装の選び方 12コのポイント
神前式での花嫁衣裳として一般的なものには、「白無垢」「色打掛」「引き振袖」の3種類があります。基本的に神前式では、神社での挙式には白無垢を着て、その後の披露宴にお色直しで色打掛か引き振袖に変えるのが一般的。
最近では洋風テイストが入った少しカジュアルな印象の「新和装(しんわそう)」が人気の傾向にありますが、厳格な式を求められる場合は、格式の高い「白無垢(しろむく)」「色打掛(いろうちかけ)」「引き振袖(ひきふりそで)」のいずれかを選ぶと良いでしょう。また、新郎の衣装は新婦の衣装に「格を合わせる」事が重要になってきます。
それぞれの特徴や選び方などを詳しく見ていきましょう。
6-1 花嫁衣装
①白無垢
和装挙式の王道衣装が、白無垢です。
一番上に羽織る打ち掛け、その下に着る掛下、帯、付属の小物類に至るまですべて白で統一するのが伝統です。花嫁が着用する和装のなかで一番格式の高い婚礼衣装です。白には「嫁ぎ先の色に染まる」という意味があり、日本の花嫁のシンボルともいえる衣装です。
【白無垢の選び方 5つのポイント】
(1) 色味
白無垢と言っても純白の白から生成りまで幅広くあります。
また、最近は個性が感じられるカラー等さまざまな色味があります。
地肌が白い方(ブルベ)は純白、地黒の方(イエベ)は生成りを選ぶと肌馴染みが良いです。
ただ、後ほど紹介する織りや柄で見え方は変わってくるので、まずは自分好みの色味を探してみましょう。
(2)生地
白無垢の生地は正絹、交織、化学繊維の3種類がありそれぞれ光沢感や色味の質感が異なります。
正絹は絹100%で織られた生地で、交織は絹と化学繊維の両方を織ったものです。これらのどの生地を使用しているかによって、白無垢の風合いや見え方、価格が変わってきます。
【交織】化学繊維と正絹を使用した生地であり、正絹の高級感と化学繊維のお値ごろ感を併せ持つ生地。
【化学繊維】最近は、化学繊維を使用している白無垢も一般的であり、色が真っ白で、硬くてハリがあります。価格は安いですが、生地の柄が写真にきれいに映らない可能性があります。
(3)織り方
織り方には、緞子(どんす)、錦織(にしきおり)、綸子(りんず)、縮緬(ちりめん)、刺繍(ししゅう)等があります。
【錦織】緞子とは少し違う光沢感であり豪華な雰囲気になります。錦織は、織地がしっかりしている織り方なので他よりもボリューム感のある着姿になります。
【綸子】光沢があり、やわらかな織り方でスッキリとした印象になります。
【縮緬】縮緬は、しなやかで生地に凹凸がある織り方で、独特の風合いを好む方にはオススメです。
【刺繍】柄には生地に織り込まれた織りと生地の上から縫う刺繍があります。刺繍は生地に立体感を持たせ、豪華な印象になります。
(4)柄
白無垢の柄は目立たないと思われがちですが、光の加減によって浮き出るように柄が見えますので写真にも写ります。
柄は婚礼衣装ならではの縁起にちなんだモチーフが施されていることが多く、柄によって意味合いが異なります。
無地:通常、生地には柄や紋様が取り入れられ、全くの無地の白無垢というのは珍しいです。
最近、無地のオーガンジー素材を使用した洋風のドレスのような印象の白無垢は人気があります。
【鳳凰】鳳凰は「不老不死」を意味し、世界の平和が実現したときに現れるシンボルと言われているので「夫婦間の平和」という意味も込められています。
【鴛鴦】おしどりは雌雄の仲が睦まじい美しい鳥として有名であり、婚礼衣装に多く用いられるモチーフで、夫婦の変わらぬ愛を意味します。
【扇子】末広がりで将来の発展と繁栄を意味し、結婚のお祝い事にふさわしい紋様として、日本では昔から使用されてきた伝統的なデザインです。
【梅】古来から縁起物として親しまれてきた梅は、春到来の季節を感じさせる花として白無垢以外でも多くの着物に使われています。
【牡丹】身分のたかいものの象徴とされてきた牡丹の様は、華やかで柄自体が大きくはっきりとしており、写真うつりも良いです。
【桜】日本の国花でもある桜は、春の訪れに咲くことから、「新しい門出」という意味があります。
【菊】長寿を象徴する菊は、花嫁衣装のモチーフとしては、季節を問わず用いることができ和装の格式を高める菊は、縁起物としても人気の紋様です。
(5)半襟・掛下
白無垢のコーディネートは、2パターンあります。
1つは、全て白一色で統一する伝統的なスタイル。
もう1つは、掛下・半衿に色を取り入れた現代風の白無垢スタイルです。
【赤】「紅白」は縁起の良い色の組み合わせとして、白無垢コーディネートの差し色にも人気の色です。赤色は古典的な柄に合うので、鶴や鳳凰の柄には赤色の掛下・半襟はオススメです。
【ピンク系】ピンク系の色味は、優しく上品な印象があります。また、肌を明るくきれいに見せる効果もありますので、優しく柔らかな雰囲気にしたい方にはオススメです。
【ブルー系】ブルー系は爽やかな印象で白無垢スタイルにメリハリを与えるアクセントになります。個性的で落ち着きある雰囲気にしたい方にはオススメです。
②色打掛
色鮮やかで華やかさが際立ちます。
もともと武家の女性の礼装として位置付けされており、華やかな模様が特徴的でそのバリエーションは多岐にわたります。
また、打掛も白無垢と同格の婚礼式服色であるため、挙式での着用も可能です。
【色打掛けの選び方 2つのポイント】
(1) 顔映りのよい色で選ぶ
「好きな色」「挑戦してみたい色」「プロの見立てた色」
色打ち掛けを羽織った際にチェックしたいのは、顔映りが良く見えるかどうかです。
元衣装コディネーターとしては、プロにおまかせすることで最高の1着が見つかる可能性が高いです。
【金色】婚礼衣装には必ずと言っていいほど取り入れられている金色。「豊穣」や「富貴」など、高貴なイメージのおめでたいお色です!
【青色】澄み渡る空と海のお色。「高潔」や「純潔」など、清らかなイメージをもっています。
(2)全体のバランス
柄行き(柄の配置)のチェックが大切です。
例えば、縦に伸びる配置なら背の高い人の着姿をすらっと見せる効果がある一方で、細やかな柄使いは背が低めの人を可憐な印象に見せるのが得意。全体のバランスを美しく見せるには、体格に合った柄行きを選ぶことも大切です。
【背が高い人に似合いやすい】大輪の花、大胆でモダン・洋風な柄行き、グラデーションの地色
【小柄な人に似合いやすい】小花柄、小さめモチーフの柄行き、淡い地色
③引き振袖(大振袖)
江戸時代後期から昭和初期に一般的な婚礼衣装とされていたのが「引き振袖」。
引き振袖とは、腰の部分で折って丈を調整する「おはしょり」を作らず、そのままの丈で裾を引きずって着る振袖のこと。
一般的な振袖と比べて袖が長く、裾にふき綿が入った美しいラインが特徴です。原則、挙式に着用できる振袖は黒地の引き振袖(黒引き)のみですが、最近では白地など黒以外の引き振袖を着る場合もあります。
(httpayumi-net.co.jpgenreskimono)
【引き振袖の選び方 2つのポイント】
(1) 襟の柄をチェック
顔周りの柄によっても印象は変わってきますので、顔周りの位置に当たる襟の部分にどんな色や柄がくるのかチェックしておくことが大切です。また、この襟の部分に柄が多いと華やかな印象になり、逆に柄が少ないとクールな印象を与えます。
(2)帯周りの小物
帯周りのお小物(帯揚げ、帯締め、筥迫(はこせこ)、懐剣、抱え帯)によって、引振袖の印象もガラリと変わりますので、着物と色味を合わせたり、差し色で反対色を入れるなど、小物類にも気を配ってみると良いでしょう。
6-2 花婿衣装
①黒五つ紋付羽織袴
神前式におけるご新郎様の第一婚礼衣装が「黒五つ紋付き羽織袴」です。
「黒五つ紋付き」という名前の通り、黒い羽織の背中と両袖の後ろ、両胸の計5ヶ所に「家紋」が入っています。最も格式が高い「黒五つ紋付き羽織袴」は「紋付」「紋服」などと呼ばれており、一般的に結婚式で着られる、長着と羽織を黒一色で揃えた男性の正礼装です。
「黒五つ紋付き」は、挙式と披露宴、どちらでも着ることができます。
【紋付袴の選び方 3つのポイント】
(1)新婦よりも目立たないこと
新婦よりも目立たないことを念頭に選ぶことが大切です。
新郎も主人公とはいえ、やはり新婦さまを一番に見せなくてはいけませんので、あまりに華美なものは避けたほうが無難です。
(2)新婦と格を揃える
新婦さまが白無垢、色打掛、黒引き振袖、大振袖のいずれかをお召しになる場合は、新郎さまは五つ紋の黒紋付羽織袴を着用すれば無難です。
(3)品のある着こなし
袴は長すぎるとだらしがない印象になり、逆に短くても品のない印象になってしまうので、身長に合わせるようにしましょう。
羽織もサイズがジャストサイズのものを選ぶとよいでしょう。
裄丈(腕の長さ)などにも注意を払い、全体のバランスがおかしくないようにしましょう。
②色紋付羽織袴
長着と羽織を黒以外の同色に変えたものを色紋付羽織袴と呼び、男性の準礼装とされています。
同じ紋付き羽織袴でも、白、紺、グレーなど、いろんな色があります。
紋の数は3つか1つが基本で、「三つ紋」は背中と両袖の後ろ、「一つ紋」は背中だけに紋がついたものとなります。
着物は紋の数が少ないほど格が下がるので、「色紋付き」は「黒五つ紋付き」に比べるとカジュアルな装いだと言えます。
「色紋付き」は厳かな雰囲気の挙式には向かず、披露宴のお色直しで着られることが多いよう。
ただ、厳かな雰囲気の式には不向きとされておりましたが、最近では挙式で洋風テイストの入った「新和装」を新婦が好んで選ぶ事が増え、格や色を合わせるために挙式でも色紋付羽織袴を着用する新郎も増えています。
7章 神前式の人気和装ヘアスタイル14選
神前式では基本的に和装を着るため、髪型も和装に合うスタイルにします。
神前式の衣装は、白無垢に綿帽子、髪型はかつらの着用をイメージをするのではないでしょうか。以前は日本髪のかつらをかぶるのが通例でしたが、最近ではどの和装でも洋髪が人気です。
一方で日本の花嫁らしさも見直されていて、綿帽子や角隠しを選ぶ人もいます。衣装にいろいろなバリエーションがあるように髪型にもいくつか種類があります。
普段着慣れない和装にはどのような髪型があうのか、正統派から自分らしさを重視できる神前式でのヘアスタイルをご紹介します。
7-1 文金高島田
(httpayumi-net.co.jpgenreskimono)
文金高島田とは花嫁特有の日本髪の結い方のことで、多くはかつらをかぶります。
結い方も3パターンあります。
【半かつら】顔周りは自分の髪の毛、残りはカツラにするものです。生え際に地毛を使用するため、自然に顔なじみよくかつらを使用できます。
【地毛結い】肩甲骨くらいから胸あたりまで髪の長さがあれば自分の髪で結うことが出来ます。かつらよりもぐっと自然な印象になります。
最近ではかつらの髪の色合いも明るい髪色のバリエーションがでています。かつらは種類がたくさんありますので、自分の顔の形に合った大きさ、フィット感を確認して選びましょう。
7-2 角隠し
(httpayumi-net.co.jpgenreskimono)
文金高島田に帯状の白い布を巻き、頭のまげや後頭部が見えるのが特徴です。
顔の輪郭がしっかりでるので、化粧映えしキリっとした印象になります。
かつらに着けたかんざしや笄(こうがい)という髪飾りを気品あるべっ甲の華やかなものをつけるとより一層映えます。
角隠しは白無垢だけでなく、色打掛けや黒引き振り袖にも合わせられます。「角を隠して夫に従う」の意味があると言われています。
7-3 綿帽子
ドレスのベールと同じく挙式が済むまで新郎以外の方には顔をみせないという意味がある綿帽子は、白無垢にのみ合わせることができます。
綿帽子の中の髪型は以前は文金高島田が多かったですが、最近では洋髪にする方も増えました。洋髪をまとめた髪型には、金具を使い綿帽子をかぶせます。
綿帽子をかぶりたいけど、かつらに抵抗がある新婦は「洋髪+綿帽子」がオススメです。
7-4 洋髪
和装に合わせた洋風のまとめ髪で、和と洋のミックスで、モダンな印象に仕上がります。
洋髪はバリエーションの多さから自分らしさをだしやすいスタイルで、最近では多いスタイルになってきています。
また、かつらに比べて、ドレススタイルへのチェンジが早くできるという利点もあります。
それでは、どんなヘアスタイルがあるのか見てみましょう。
8章 知っておくと安心、神前式の流れと4つの作法
神前式では、ふたりの親族同士が結びつくという考え方にのっとり、「三々九度の盃(さんさんくどのはい)」(盃を重ねることによって「家と家」の固い絆を結ぶ)を交わし、「玉串拝礼 (たまぐしはいれい)」 (=玉串にふたりの心を乗せて神に捧げる)」などの儀式を通して、神にふたりの結婚を報告します。
作法については、前もって神職や巫女が説明を行ってくれるので安心です。
式次第は神社によって異なるので、見学時に聞いてみましょう。
①参進儀(さんしんのぎ)
手水(てみず・ちょうず)で両手を洗い、心身を清めます。
結婚の儀を告げる雅楽が演奏される中、神職や巫女を先頭に新郎新婦、両家の親、親族で社殿に向かい境内を進んでいきます。
「参進の儀」における“さん(三)”とは、過去・現在・未来が合わさる、三位一体を表していると言い伝えられています。
神様の居る神殿がおふたりの将来の安泰を祈願する未来の象徴、そして現在、 おふたりの後ろには支えてくれたご親族、ご友人らといった、おふたりにとって過去の象徴といえる人が続きます。
手水の作法
①まず右手でひしゃくに水を汲み、左手を清めていきます
②それに続いて右手と口も水ですすぎます
③最後に、用意されている懐紙という和紙で、口元や手などの水気をふき取っていきます。
②入場
斎主、新郎新婦、仲人、親、親族が入場。
神前に向かい、右に新郎側、左が新婦側になり、親族入場後は、参進の儀に参列していない親族や友人が順に入場します。
③修祓の儀(しゅばつのぎ)
一同起立、斎主による祓詞(はらいことば)に続き、清めのお祓いを受けます。
「修祓」とは、罪や穢れを祓い、心身を清めることを意味します。斎主が「祓詞(はらいことば)」を述べた後、大幣(おおぬさ)を振り、お祓いをして身を清めます。
④祝詞奏上の儀(のりとそうじょうのぎ)
斎主が神前にふたりの結婚を報告し、幸せが永遠に続くよう祈ります。
※祝詞奏上の儀までは撮影禁止が多いです。
⑤三献の儀(さんこんのぎ)
三々九度の盃。
新郎新婦が大中小3つの杯で交互にお神酒をいただくことで、夫婦の永遠の契りを結びます。盃は3種類大中小があり、小(過去)、中(現在)、大(未来)を表すとも言われています。
※お酒が苦手な方は、杯を口につけるだけでよいです。
三献の儀作法
①御神酒を注ぐ巫女さんはお銚子(おちょうし)を三度傾け三度目で盃に注ぎます。
②盃を口元に運び、お神酒を頂きます。一、二度目は口をつけるだけで三度目に飲むのが一般的な作法です。
三献の儀所作
①盃を持つときは指先を揃えます。指先が広がっていたり、盃を手で包むように持ったりすると、子供っぽく見えてしまいますので注意しましょう。
②猫背に注意。花嫁衣裳は袖が重く腕が上がりにくいため、盃を口が迎えに行ってしまいがちになるため注意しましょう。
⑥誓詞奏上(せいしそうじょう)
新郎新婦が夫婦として歩んでいく誓いの言葉を読み上げます。
誓詞奏上作法
誓詞を開くときには、親指を上から差し入れて中腹まで下げ、そのまま親指を立ち上げて開きます。
誓詞を読み終えて折りたたむときにも、同じ動作で左から元の状態に戻します。
また、誓詞は神様に向けて読むものなので、誓詞を目線より下げないように気を付けます。
⑦神楽奉奏(かぐらほうそう)
(httpswww.mihonoseki-kankou.jp20170529ebisugirl1705.jpg)
神様に舞を捧げて喜んでいただき、より一層祝福してていただくために神官の歌と笛に合わせて巫女が舞を捧げます。
※神楽奉奏ができない式場もあります。
⑧玉串奉奠(たまぐしほうてん)
榊の枝に紙垂(しで)を付けたものを玉串といいます。
神と人をつなぐ祭具であり、「心を串にのせて神様に捧げる」という意味をもちます。巫女から玉串を受け取り、根元が前面に向くよう時計回しで供えます。順番は、新郎新婦、仲人夫妻、両家代表が続きます。
※玉串は、神聖なものとして両手で丁寧に扱いましょう。
※所作については、前もって神職や巫女が説明を行ってくれます。
玉串奉奠作法
①玉串を受け取り、玉串の先を時計回りに90度回して立てます。
②左手を下げて根元を持ちます。このとき玉串に祈念を込めます。
③玉串をさらに時計回りに回し、根元を神前に向けます。
④やや進んで、玉串を案(机)の上に置きます。
⑤やや下がり、二拝二拍手一拝の作法でお参りします。
玉串奉奠所作
①串は神様に願いをお伝えすることができるたったひとつの道具です。胸から上の高さで持ち、大切に扱いましょう。
②柏手を打つ時は、しっかり音が鳴るように。新郎新婦ふたりで一緒に柏手を打ちますので、なるべく音のタイミングが合うように意識しましょう。
⑨指輪の交換
もともとは神前式にはなかった儀式でしたが、希望者が多くなり昭和30年代から取り入れるようになりました。
⑩親族盃の儀(しんぞくさかずきのぎ)
両家が親族となる儀式。
両家の親族一同で盃に注いだお神酒をいただくことで、両方の家族が一つに結びつきます。
⑪斎主あいさつ(さいしゅあいさつ)
結婚を祝福してくださった神様に対して、斎主が式を執り納めたことを神に報告して一同で起立し拝礼します。
⑫退場
全員が退場します。
9章 神社式後の披露宴会場のメリット・デメリット&注意ポイント
神前式での挙式後に披露宴をおこなう場合、披露宴は以下のいずれかが会場となるのが一般的です。
神社敷地内会場:神社の敷地内に併設された披露宴会場
近隣外部会場:レストラン、料亭、ホテル・専門式場など全く違う会場
私のおすすめは「近隣外部会場」です。
何よりも 組み合わせのバリエーションが多く、自由度が高いです。
神社挙式+披露宴が可能なプロデュース会社やホテル・専門式場にお願いすればお二人も負担なくスムーズです。
また式場から披露宴会場までの移動時間を20~30分以内にし、タクシーやマイクロバスを手配することでゲストの負担も軽減されます。
それでは、神社敷地内と近隣外部会場それぞれどんなメリットやデメリットがあるのか。
注意ポイントも踏まえ、各会場の特徴を詳しく見ていきましょう。
9-1 神社式×神社敷地内会場
【メリット】
①移動しなくていい
披露宴会場までの移動の手間がかからず、ゲストの負担を減らす事ができ、時間にも余裕ができます。
②コストや手間がかからない
挙式+披露宴のセットプランであれば、挙式と披露宴の打ち合わせが同時にでき、混乱や手間をおさえられて簡単です。
また、別々で申し込むよりもコストを抑える事ができます。
【デメリット】
①建物が古く設備が整っていない
神社によっては何百年という歴史があるからこそ、建物の造りが古かったり、設備が整っておらずバリアフリーになっていない場合もあります。
②こだわりづらい
披露宴ができる会場が限られていることも多く、披露宴会場の雰囲気や収容人数、料理の内容などこだわることは困難な場合もあります。
また神社はアクセスが不便な場合が多く、披露宴後にまた時間をかけて帰っていただくことにもなります。
▼神社によっては外部の披露宴会場の方がコストを抑えられるケースもありますので、見積もりを比較することが大切です。見積もりのポイントはこちらをご覧ください。
9-2 神社式×近隣外部会場
メリット
①挙式も披露宴もこだわりを追求できる
レストランや料亭など料理、 雰囲気、収容人数にこだわって選べます。
また駅の近くなどの公共交通機関とのアクセスが良い会場を選ぶと帰りやすいので、ゲストへの配慮にもなります。
②移動中の景色を楽しんでもらえる
特に遠方の方は、移動中も観光気分で景色を楽しんで頂きながら披露宴会場へ移動してもらえるのも一つのおもてなしにもなります。
デメリット
①移動の手配が必要
神社と披露宴会場が離れている場合は、タクシーやマイクロバスを手配して移動手段を確保するなど、ゲストへの配慮も必要になります。
またそれぞれの会場で挙式や披露宴に対応できる時間の都合上、挙式終了から披露宴開始までに数時間も空いてしまうケースもあります。ただし徒歩圏内の距離に披露宴会場がある場合は、負担も少なく、移動時間の短縮にもつながります。
②コストや手間がかかる
挙式とは別に各会場への申込み手続きや打ち合わせが必要になったり、お色直しやヘアメイクはどうするかといった手配も必要になります。
それぞれの会場で衣裳代やカメラマン代がかかったり、一方の会場で借りた衣裳を、もう一方の会場で使用しようとすると、使用先の会場で「持ち込み料」が発生する可能性もあります。
神社式+披露宴をセットでプロデュースしてくれるプロデュース会社やホテル・専門式場があればスムーズです。ただしプランナーが神社まで同行してくれない場合もあるので要注意です。
10章 神前式のQ&Aを元和婚プロデューサーが解決
Q1 神前式って下見できる?
できます。
神社はいつでも予約なしで見る事ができる所がほとんどです。神前結婚式が行われる日を問いあわせて見学させてもらうようにするのも一つです。
ただし、詳しい話を聞きたい場合は必ず下見の予約をしてから行く方が良いです。また挙式の見学が不可能な神社や結婚式場、ホテルではブライダルフェアに参加することをおすすめします。
Q2 挙式中は貸切にならないの?
挙式中に神社そのものが貸切になることはほとんどありません。
挙式中でも参拝に訪れる人を受け入れているのが一般的です。挙式中は拝殿内には立ち入りはできませんので、さほど気になることはないかと思います。
気になる方は一般の参拝客が立ち入りできない挙式場を持つ神社を選ぶか、ホテルや専門式場の神殿をおすすめします。
Q3 初穂料(挙式料)の納め方って?
熨斗袋に入れて持参しましょう。
支払い方法は様々ですが、直接初穂料を納める際は熨斗に入れて持参します。
・のし袋
「結び切り」紅白や金銀の「結び切り」の水引(もしくは水引柄が印刷されたもの)
・表書きは「初穂料」+「両家名」
水引の上にあたる部分に「初穂料」を書き込みます。「玉串料」「御榊料」や「御神前」「御供」といった記載でも間違いではありません。
「両家の苗字」を書き込みます。向かって右側に新郎家・左側に新婦家の苗字を書き込みます。
※水引などが印刷された封筒タイプの熨斗袋を使用される場合は、封入口をのりで閉じないようにしてください。お納め額の確認で神社側が金額を確認されます。
Q4 神前式に友人も参列できるの?
挙式希望式場に確認が必要です。
もともと神前式は、神殿という聖なる場で、家と家が神の前で契りを交わし、新郎新婦と両家の繁栄を祈る目的だったため、親族のみで行うのが一般的でした。しかし最近では、友人や知人の列席を認めている式場も増えています。
Q5 神前式に参列してもらう友人への配慮は必要ですか?
必要です。
神前式は初めての方もいらっしゃるので、招待状には式の日時や場所と合わせて神前式である旨をはっきり記載し、 挙式から参列してもらいたいことを明確に明記しておいた方が良いです。
できれば、直接連絡を入れて以下を伝えてあげると安心して参列頂けると思います。
Q6 神前式でゲストの服装マナーはあるの?
フォーマルな装いを心がければ和装・洋装どちらでも問題ありません。
【父親】
父親の服装は新郎と同じく紋付羽織袴又はモーニングが一般的。
※新郎側と新婦側の父親の衣装が一方は和装、もう一方が洋装というようにバラバラではバランスが取れないため、両者が事前に打ち合わせをして合わせる必要があります。
【母親】
既婚女性の衣装のなかで最も格調の高い第一礼装とされる、5カ所家紋の入った五つ紋の黒留袖で出席することが多いです。
【男性親族】
礼服やブラックスーツが一般的。
新郎や父親よりも目立たないように注意しましょう。
【女性親族】
叔母や祖母など既婚女性の場合は黒留袖を着るのが一般的ですですが、訪問着でも可能です。
姉妹でも既婚であれば黒留袖を着用して出席してもかまいませんが、若い人の場合は黒以外の色で裾に模様があしらわれた色留袖も正装として着用することが可能です。未未婚の姉妹ならば振袖を着ます。
また、 ドレスやワンピースでも可能です。
※新婦より目立ってしまわないように色や柄などを配慮する必要があります。
【男性ゲスト】
礼服やスーツで問題ありません。
シャツは、白や淡い水色など ネクタイは、白や薄いシルバーがおすすめです。
派手なデザインや柄の多いシャツやネクタイは和式の結婚式にふさわしくありません。
※新郎や父親よりも目立たないように注意しましょう。
【女性ゲスト】
和装でも洋装でも好きな服装で問題ありません。
新郎新婦に合わせて和装にするのもおすすめです。未婚なら振袖が適していますが、訪問着や色無地なら既婚未婚問わず着用できます。洋装の場合は、フォーマルなドレスやワンピースを選びましょう。
衣裳を選ぶ際のポイントは以下の5つです。
洋装の場合、キャミソールやノースリーブなど肩が出るデザインのものも多いため、上に羽織れるものを用意しておきましょう。
また、スカートもミニ丈は避けたほうが無難です。
②ストッキングを着用するようにしましょう。
神前式では、控室が畳敷きであったり、儀式で神殿に上がったりする際に靴を脱ぐ機会もあります。そんなとき、裸足では失礼にあたるため、ストッキングは着用しましょう。
③ 毛皮、ヘビ革やワニ革などのアイテムは避けましょう。
ファーや毛皮、アニマル柄のアイテムは殺生を連想させるためお祝いの席にはふさわしくありません。
④ピンヒールは避けましょう。
神社では、砂利の上を歩いたり階段を上り下りしたり、という場面が少なくありません。歩くときにピンヒールが砂利に埋まって大怪我をする可能性もあります。
また厳かな場面でピンヒールの歩く音が邪魔になることがあり、その場の空気を壊してしまうおそれもあります。ドレスやワンピースにパンプスを合わせたいときは、太めのヒールを選びましょう。
Q7 神社から会食・披露宴会場へゲストの移動方法は?
2パターンあります。
1つ目はふたりがタクシー又はマイクロバスを手配する場合です。
2つ目はお車代をお渡しし、自分で手配してもらう場合です。
ゲストに負担なくスムーズなのは1つ目です。事前に、自家用車で来られるか確認の上、人数に合わせてタクシーやマイクロバスを手配した方が良いでしょう。
※バスを借りるよりもタクシーを数台チャーターした方がお得な場合は、会場にタクシーが並んで停車できるかどうかも必ず確認しましょう。
11章 後悔しない神前式ができる和婚なび
本記事の最後に、お二人にとって最適な神前式を挙げて頂ける「和婚なび」3つの特徴をご紹介いたします。
特徴①京都神社仏閣掲載数No.1
京都の神社仏閣を熟知した和婚なび専任プランナーが、多数ある神社仏閣からお二人に最適な式場をご提案致します。
特徴②挙式費用が明確
各神社毎に挙式費用は違ってきます。
初穂料、持ち込み料、お菓子料等の詳細まで明確にお伝えさせて頂きます。
特徴③会食、披露宴、1.5次会までサポート
京都で創業11年累計5,700組の実績からお二人に最適なプランを和婚なびの専任プロデューサーがご提案致します。
まとめ
神前式の不安は解消できましたでしょうか?
今回、お伝えしたポイントをまとめると
・神前式費用が上がりやすい項目は、「雅楽の生演奏、巫女の舞、衣装、ヘアアクセサリー」
・神前式場を決める前に、「親確認」「式場確認」「ふたりで希望をすり合わせ」が必要
・作法については、前もって神職や巫女が説明を行ってくれるので安心
神前式を挙げる際のポイント、注意点や挙式の流れや作法などをお伝えしました。
お二人にぴったりな神前式場に出会える手助けになることを願っています。
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